【リフォーム業者が教える】自分でリフォーム。やってもいいDIY、やってはいけないDIY。

DIY

ここ数年で、業者に頼まずにご自分で作業を行う、いわゆるDIYが流行っています。

しかし、いざ自分の家のリフォームをDIYでやろうと決心した時に、

「上手く出来るかどうかはともかく、そもそもやって大丈夫?」

と、疑問を持つ方もいるかと思います。

今回はリフォーム業者の立場から

やってもいいDIYとやってはいけないDIYを紹介します

そもそもDIYとは?

DIYとは「Do it yourself」の略で、意味は「自分でやる」です。

今まではプロの業者に頼むのが当たり前だと思っていたものが、ホームセンターやネット通販の普及で簡単に材料が一般の方でも手に入るようになり、気軽にDIYが行えるようになっています。

また、ホームセンターでもDIYコーナーがあったり、施工方法を説明した動画が流れていたり、インターネット上でも簡単に施工方法が調べられるようになっています。

DIYのメリットは?

業者に頼むよりも安い

DIYの最大のメリットはやはり「自分でやれば安く終わる」事でしょう。

業者に頼めば、

「材料費+工賃+出張費+利益」

このような費用がかかりますが、自分でやれば

「材料費」

これだけしかかかりません。

材料費に関しても最近ではインターネットで簡単に最安値を調べられるので、更にお得です。

仕上がっていく楽しみ

自分でやれば、自分自身の手で変わっていく我が家を楽しむことが出来ます。

人に頼んでやってもらっては味わえない達成感も味わえます。

日程の調整が必要ない

業者に頼む場合には、業者との日程の調整が必要ですが、自分でやれば自分のスケジュールだけを考えればいいので、空いた時間にコツコツやる事ができます。

DIYのデメリットは?

仕上がりが不安

仕上がりに関しては、やはりプロには敵いません。

技術の問題ももちろんありますが、使っている道具や材料も違います。

状況を悪化させる

器具が壊れたから交換しようと、DIYでやったら壊れていなかった他のところまで壊れてしまい、結局業者を呼んだら最初から呼ぶよりも高くついた。なんて話はよく聞きます。

また、器具を外したところで新しい物が付けられなくなり、古い物も戻せなくなり、収拾がつかなくなり結局業者を呼び高くつく。という可能性もあります。

実際に上手くできるの?

これに関しては、もう本人次第としか言いようがないです(笑)

器用な方であれば、プロ顔負けのクオリティを出せますし、不器用な方ですとちょっと残念な結果になったりとしますが、仮に残念な結果であろうとも、その結果を楽しむのもDIYの楽しみ方の一つだとも思います。(家族に怒られなければ(笑))

自分でやる楽しさや、安く済むというメリットがある反面、リスクがあるというデメリットを紹介しました。失敗すると家族に怒られる可能性が高いので、リスクについて家族と必ず相談しましょう(笑)

DIYでやっていいリフォームは?

ここからはDIYでやってもリスクが低いリフォームをいくつか紹介します。

壁紙の貼替

壁紙の貼替は仮に失敗したとしても、何度でもやり直せますし、もう無理だと業者に頼んだとしても、元々頼んだ時の値段と基本的には変わりません。(下地を余程ぐちゃぐちゃにしなければ)

ホームセンターなどで「簡単に貼れます」と、施工方法の動画が流れていたりしますが、壁紙の貼り替えは壁紙を貼る事よりも下地を調整する方が難しかったり時間がかかったりしますので注意して下さい。

床のクッションフロアやフロアタイル

これも壁紙と同じくリスクが低く、失敗してもやり直しし易いです。

現状の床に剥がれなどがないのであれば、上から貼ってしまえば更にリスクは低いです

室内の塗装

室内の壁や巾木、家具などの塗装は養生さえしっかりやれば必要な技術もリスクも低いです。

換気は十分にしましょう。

壁を作る

この後、「やってはいけない」で「壁を壊す」を紹介しますが、何らかの理由で部屋の中を壁を作って仕切りたい場合、リスクは低いです。

仮に失敗しても壁や床にビス穴が空く程度で済みます。(壁や床にビス穴が空くのも場合によっては十分リスクですが)

蛇口の交換

蛇口の交換も比較的簡単に出来ますが、注意点が3点あります。

  1. 蛇口の種類によって取り付け可能な物と不可能な物があるので事前によく調べる事
  2. 古い蛇口を外そうとした時に劣化のひどい水道管だと折れてしまう事があるので、無理に力を入れて外そうしない事
  3. ②の場合に備えて、水道メーターの場所と、そのバルブで自宅の無いの水がちゃんと止まるのを事前に確認しておく事

比較的難易度が低く、リスクも低いリフォームを紹介しました。

リスクが低いとはいえ、0ではないので事前によくシミュレーションして下さい。

DIYで条件によっては可能なリフォーム

ここでは失敗したときのリスクが高いのであまりおススメはしませんが、もしやるのであれば事前に十分よく調べた上でやって下さい。

外壁塗装

DIYでやってもいい条件としては

  • 平屋もしくは2F部分が少ない
  • 何回塗ればいいのかなどを事前に情報収集
  • 思っている以上に相当めんどくさい事をやるという覚悟(笑)

「ローラーで塗るだけでしょ?誰でも出来るのでは?」

と、塗装を結構簡単に考えている人が多いですが、相当めんどくさい作業になります。

必要な作業をざっくり言うと、

  1. 外壁を洗浄
  2. 浮いてきている古い塗装があれば削り
  3. コーキングを打ち直し
  4. 窓など塗装しない場所を守る為に養生
  5. 下塗り
  6. 中塗り・上塗り(2回塗る)

これをDIYでやろうとすると、足場がないので脚立やはしごでやる事になると思うのですが、普通の2階建ての家だと高さ的にも根気的にも無理だと思うので、条件に「平屋」を入れました。

ほとんどの方はこの作業内容を見れば諦めると思うのですが、それでも「DIYでやる!」と思える方はチャレンジしてみてください!

トイレ交換

トイレ交換をDIYでやるのであれば条件としては、

  1. 施工不良で気が付かない水漏れが起きた場合には、数年後に床が腐るのでそのリスクを理解する
  2. 外した古い便器の処分方法を考える(粗大ごみで出せるのか粉々に砕かないと捨てれないのか)
  3. 失敗した時には業者が来るまでしばらくトイレが使えないリスクを理解する

特に①の漏水の可能性が一番のリスクかもしれません。

施工時に気が付けばその場で直せばいいのですが、気が付かないような微量な漏れだと、家の床が木で出来ていればどんどん腐食していきます。

また、マンションなどの集合住宅であれば、「汚水」を下の階に流れていってしまう可能性もあります。

水道水を下の階へ漏水させるのと、汚水を漏水させるのは迷惑度が全然違いますよね。

この辺りのリスクを考慮する必要があります。

キッチン交換

キッチン交換のDIY条件は

  1. 現状、ブロックキッチンが付いていてブロックキッチンへの交換(システムキッチンの場合は不可)
  2. ガスのバルブを外さなくても可能な場合
  3. コンロ周りの壁はいじらない(耐火性の問題があるのでコンロ周りの壁のDIYは厳禁)
  4. 廃材の処分方法を考える

確かに条件によっては、ブロックキッチンの交換は簡単です。極端な話置いてあるだけなので。

ただし、「条件によっては」です。

今挙げた条件の他にも細かい条件が色々ありますので、「条件によっては」簡単なのでここに分類しましたが、知識と経験がないと「条件」に合っているのかどうか判断が難しいと思うので、実質無理だと思ってもらった方がいいかもしれません。

条件によっては可能なDIYを紹介しました。
簡単そうに紹介しているサイトはありますが、難易度はかなり高いと思います。余程自信がある人以外はやらない方が無難です。

DIYでやってはいけないリフォームは?

難易度が高いとかそういう問題ではなく、危険だったり知識や資格のない人がやってはいけないDIYを紹介します。

電気の配線をいじる

  • コンセントを増設したい。
  • 照明器具の電線を延長して移動したい。
  • 電気のスイッチが古いので新しいのに替えたい

など、電気の配線をいじるのは電気工事士の資格が必要な為、資格の無い人は絶対にやってはいけません。

電気をDIYでやりたい方は関連記事をお読みください。

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蛇口の移動や増設

蛇口の場所を移動させたり増設したりする場合には、水道管を改造する必要があるのですが、水道管を直接いじるのは水道局から指定を受けている工事店以外禁止されています。

パッキンの交換など、蛇口の修理であれば問題ありません。

屋根の雨漏り修理

資格等は必要ありませんが、プロでも雨漏り箇所を特定するのは難しいのに、素人が見たところでほとんどの場合特定出来ません。

瓦の場合動かす事で余計に悪化したり、問題無かったところから新たな雨漏りが発生する事もあります。

屋根の上の作業になり、危険な上に直せる可能性は限りなく低いのでやめましょう。

壁を壊す

壁を作るのは「やってもいいDIY」で紹介しましたが、反対に壊す事はダメです。

理由は「壊していい壁かどうか素人には判断出来ないから」です

家には「壊してもいい壁」と、構造体の一部になっていて「壊してはいけない壁」があります。

万が一、「壊してはいけない壁」を壊すと、家の耐久性や耐震性が落ちます。

絶対にやめましょう。

まとめ

DIYについて紹介しました。
やってもいい、条件つきなら、やってはいけないと分類しましたが、極論を言えば「その人の技量、経験、知識、資格」によるので、最終的な判断はご自身でご判断下さい。
ですが、「餅は餅屋」という言葉があるように、プロの業者がお金をもらってやっている仕事を自分でやろうとする訳ですから、簡単そうに見えてもやってみたら難しかったり、不可能だったりするというリスクはやる前に今一度考えてみて下さい。
「自分でやればタダだから!」とやってみたものの、悪化したので直して欲しいという仕事の依頼が、毎年必ず数回きます(笑)