リフォームをする際、相見積もりは絶対必要です。
だけど、相見積もりは金額だけを比べるものじゃありません!
必要なのは「金!人!物!」。どこかで聞いた言葉かもしれませんが、これはリフォームの相見積もりでも言える事です。
今回は
そもそも相見積もりとは?
Wikipediaには相見積もりについてこう書かれています。
複数の業者から見積を取る事(見積書を提出してもらうこと)を相見積(あいみつもり)と呼ぶ。「合見積」とも表記することがある。口頭では短く「あいみつ」と表現されることがある。
中略
複数の業者から提出させることによって、ようやく購入者側は業者の提示したものを相対的に比較検討するようになる。最もお値打ちな価格を提示したり、似たような価格でも明らかに質(仕様や量など)が良い見積りを提出した業者を選定することで、購入者側は予算を引き下げたり出費を抑えたり、あるいは同価格でも より良い内容のものを購入することができるというメリットを享受できるのである。
引用元:Wikipedia
一つの業者だけでなく、複数の業者から見積もりをもらい、金額や内容を比べる事。これが相見積もりです。
関連記事:【リフォーム業者が教える】相見積もりは本当に必要なのか?
リフォーム工事を行う場合には必ず相見積もりをとりましょう。
まずは金から・・・ではなく、物をみよう!
業者から見積書を受け取ったら、まずどこを見ますか?
金額ですよね。それは誰もがそうだと思います。
私はリフォーム業界にいますが、下請け業者から見積もりをもらったら絶対に最初に金額に目がいってしまします。(笑)
しかし、金額よりまずは物の方が大事なんです。
ここで言う「物」とは工事内容や工事で使う材料を指します。
打ち合わせ通りの内容になっているのかをまずは確認
面倒ですが、まずはどの業者の見積もり内容も自分の希望通り、打ち合わせ通りの内容になっているかを確認する必要があります。
自分も業者も人間です。見積もりに入れ忘れていたり、伝え忘れていたり、伝えたと思っても違う意味で伝わっていたり。それが無いかを確認しましょう。
A社とB社を比べて、A社の方が安いからA社にしたら
「実はA社に追加の工事内容を伝え忘れていただけ。」
という事もありえます。
業者任せにしている部分を確認
ある程度の規模の工事になると、全ての作業内容や細かい物を含め全ての商品の品番を指定するお客さんは稀です。
「こういう風にして欲しいんだけど、細かい部分は任せます」
こんな感じで、ある程度業者に任せてしまう部分があるかと思います。
例えば、トイレのリフォームを考えた時に、
「トイレ自体にメーカーや商品のこだわりは特にないので、ウォシュレットだけ付いてればいいです。機能も標準的なものでいいです」
業者にこのように伝えると、
どのメーカー、どのグレードのトイレ、どの機能のウォシュレットで見積もり計算してくるかは業者によります。
業者に任せた部分は、その担当者によって工事内容が変わってくるので、単純な金額だけでは比べられません。
見積もりを比べ、違う工事項目がないかを探す
例えば和室の畳の部屋を洋室に替えるリフォーム工事をしたとします。
Aという業者は、電気工事代として3万円が入っている
Bという業者は、そもそも電気工事という項目が無い
「じゃあ、Bの方が3万円工事代安いからBにしよう!」と安易に考えてはいけません。
ここで考えられるのは、Aの業者の担当者が
- 洋室に和室のままの照明器具がついているとおかしいので洋室用の照明器具に替える
- 床も壁も全て新しくなるのにコンセントやスイッチ類が古いままだとおかしいので、そこを替える
このように考えて作った見積もりだと思います。
ですので、単にBの方が工事代が安いから~と考えるのではなく、電気工事が自分にとって必要かどうかを考えましょう。
そして忘れてはいけないのは、Aの業者に
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次に金額を比べます
まずは物を確認し、工事内容を把握したところで金額をみます。
先ほど、工事内容が違えば金額も変わるという話をしました。
その部分を差し引いて金額を比べます。
算数の分数を思い出して下さい。
分母が違うとどちらが大きい数字か把握しにくいですよね?
どちらの数字が大きいか分母を揃えるように習ったはずです。
それと同じように、見積もり金額を比べる時も分母(工事内容)を揃えましょう。
あきらかに安すぎる業者は注意
同じ工事内容で、同じ仕上がりであれば当然安い方がいいですよね。
相見積もりをする最大の理由は「金額を比べる事」ですので、金額が安い業者に惹かれるのは当然です。
ですが、他と比べて「あきらかに安すぎる業者」は注意が必要です。
- A社 → 120万円
- B社 → 130万円
- C社 → 70万円
このような見積もりが出た場合、単純に安いのはC社です。ですがこれだけ安いと「本当か?」と一度疑った方がいいと思います。
同じ工事内容でこれだけの価格差があると、「安く商品を仕入れられるから」などの理由だけとは思えません。
C社だけが、あきらかに安い理由として考えられるのは、
- C社が「安く契約して、工事中に追加料金を取ろうとしてる」
- A社B社の値段が高すぎる
このどちらかの可能性が高いです。
必要であれば、もう1~2社見積もりをとってみた方がいいかもしれません。
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最後に人を比べます。
多くの相見積もりに関するサイトを見ると、上記二つの「工事内容」「金額」を比べましょう。とは書いているのですが、最後の「人」に関してはあまり見かけません。
私個人の意見ですが、実は「人」を比べるのが一番大事なのではないかと思います。
「人」とは「会社」と「担当者」
ここでいう「人」とは、「会社」と「担当者」を指します。
会社を比べる
- どれくらいの規模の会社か
- 設立何年か
- どういう工事を得意としているか
- インターネット上の評価はどうか
- 会社の所在地は遠すぎないか
これらの内容は今の時代、会社名をインターネットで調べればすぐに分かります。
どれくらいの規模の会社か
大きい会社だから安心という事ではないですが、倒産のリスクなどを考えると、高額なリフォームを行う場合には、ある程度の規模の会社の方がいいかと思います。
設立何年か
これも必ずしも、「設立が古い=安心」ではないですが、設立間もない会社よりも数十年やってきた会社の方がノウハウはあると思われますし、有名な悪質業者であれば数十年も営業出来ないと考えられるので、設立が古いというのも一つの目安にしてもいいかと思います。
どういう工事を得意としているか
リフォーム業者には
- 水回りが得意な会社
- 外構工事が得意な会社
- 内装が得意な会社
- 大工工事が得意な会社
- 店舗が得意な会社
などの得意不得意があります。
過去の工事事例などを調べて、自分のやりたいリフォームが得意な業者を選びましょう。
インターネット上の評価はどうか
小さい会社だと、あまり出てこないかもしれませんが、ある程度の大きさの会社であればインターネットで利用者の評価が調べられます。
匿名のインターネット上の情報なので、全てを鵜呑みにするのは良くないですが、一つの検討材料にはなるかと思います。
会社の所在地は遠すぎないか
会社の所在地が遠すぎると、工事後に何かあった場合などに駆け付けてもらうのに時間がかかります。
また、遠すぎると打ち合わせ頻度も低くなりがちです。
会社所在地まで、車で1時間以上かかるなら考えた方がいいかもしれません。
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担当者の知識と人柄
しっかりとした知識を持ち、こちらの質問にも丁寧にはっきりと答えてくれるか、人として信頼できそうか。
リフォーム工事の規模が大きければ大きいほど、担当者との打ち合わせ時間も増えます。人間的に合わない人とはあまり同じ時間過ごしたくないものです。
合わない担当者とは打ち合わせ不足や、お互いの認識不足でトラブルになりやすいのでご注意下さい。
担当者の能力で工事内容が変わる
担当者の能力が低いと、
- その場で質問に答えられず返答に時間がかかる
- 発注ミスや職人への連絡ミスなどによる工期の遅れ
- 他の商品やプランを紹介出来ない
などが起きやすいです。
逆に担当者の能力が高ければ、
自分の希望の内容を伝えた際に、
- 同じような機能をもった他の商品を紹介してくれる
- より良いプランを考えてくれる
- 無駄な工事を減らし、費用を抑えてくれる
など、担当者の能力次第で「工事内容が変わります」
こちらの記事でリフォーム工事の際のトラブルを紹介しました。
突き詰めるとリフォーム工事のトラブルのほとんどは、「人」との信頼関係が崩れた時に起きます。金額ももちろん大事ですが、「人」もかならず比べましょう。
まとめ
相見積もりで金額を比べるのは当たり前ですが、意外に見落としがちな「物」と「人」。
特に「人」に関しては、多少金額が高かったとしても後々の事を考えれば最重視してもいいのではないかと思います。
何を重視するかは、もちろん人それぞれですが、面倒くさがらず相見積もりは必ず取りましょう。