【リフォーム業者が教える】格安リフォームは安全か。メリット、デメリットは?

インターネットやチラシで「格安リフォーム」を謳っているのを見かけた事はないですか?

リフォームを考えている方は「少しでも安く」と思っている人が多いので、つい頼みたくなってしまうと思います。

今回はリフォーム業者の立場から

格安リフォームは安全か?そもそも本当に格安で出来るのか?
これを説明したいと思います。

そもそも何で格安に出来るの?

業者によって、安く工事出来る理由は様々ですが、いくつか理由を挙げてみます。

  1. 名前を売る為や実績作りの為に赤字覚悟での価格設定
  2. 一つの商品を大量購入して商品の単価を下げている
  3. 多くの業種を兼ねて施工できる職人がいるので安く工事が行える
  4. 自社、もしくは自社から直接の職人しか使わないので、中間マージンが発生しない
  5. 最初から追加工事ありきの悪徳業者

それぞれ説明していきます。

名前を売る為や実績作りの為に赤字覚悟での価格設定

自社の存在を知ってもらい他の人へ紹介してもらいたい意図や、次にリフォーム工事を行う際には、また自社へ依頼して欲しいので、安くキャンペーンをしている場合。

また、その分野での実績が少ない場合には、「昨年は〇〇件」などの実績を作りたい為に赤字覚悟で提供している場合もあります。

一つの商品を大量購入して商品の単価を下げている

例えばフローリング材を、お客さんから依頼があってから現場1件分をその都度取り寄せるのではなく、メーカーや1次卸売などに「年間数百件分買うので単価を下げて欲しい」という契約をしているケースです。

これは、その量以上を必ず購入しなければならない契約なので、業者にとってはリスクもありますが、1件分の材料費は通常よりもかなり低く抑えられます。

ただし、契約したフローリング材しか安くならない為、色やグレードに制限がかかります。

多くの業種を兼ねて施工できる職人がいるので安く工事が行える

ここ数年で「万能工」と呼ばれる業種があります。

従来は「水道屋なら水道の仕事のみ」「電気屋なら電気の仕事のみ」が当たり前でしたが、「一人で水道も電気も内装工事もやります。」という職人さんが増えています。

これにより何故安くなるかというと、例えば「和式トイレから洋式トイレへのリフォーム」を考えてみます。

通常ですと、

  • 水道屋
  • 大工
  • 電気屋
  • 内装屋

と、最低でも4人の職人さんが必要です。

仮に一人2万5千円だとすると、職人さんを手配するだけで10万円です。

しかし、この4業種が出来る万能工がいれば、

2万5千円 × 2日 = 5万円

で済む計算になります。

万能工を手配する方が若干一人当たりの値段は上がる事が多いですが、それでも全業種の職人さんを手配するよりか安くなるのは間違いないです。

自社、もしくは自社から直接の職人しか使わないので、中間マージンが発生しない

以前、こちらの記事で、丸投げ業者の存在を説明しました。

以前の記事では丸投げ業者がいると、手抜き工事が起きるという事にスポットを当ててましたが、丸投げ業者がいると、もう一つデメリットがあります。

それが、

「お客さんへの請求が高くなる事がある」

以前の記事では、最終的に職人さんの取り分が減るという話をしましたが、仮に職人さんにもしっかりした取り分を確保しようとするとどうでしょう?

最終的にお客さんの支払い金額が増えます。

丸投げ業者(中間業者)がいる現場では中間マージンが抜かれてしまいます。

そこで、格安リフォームでは自社での施工、もしくは自社が直接手配した職人さんのみを使います。

そうする事で、中間マージンが発生しないので、安く工事を提供する事が出来ます。

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最初から追加工事ありきの悪徳業者

上記で紹介した4つの理由は、言わば企業努力の結果であり、品質やトラブルの原因となる事はないですが、最後のこの理由が一番やっかいであり、お客さんが格安リフォームを心配する原因になっています。

これは例えば、通常100万円かかる工事があったとして、悪徳業者はこう考えます。

最終金額が100万円以上あればいいのだから、最初の契約金額なんていくらでもいい

つまり、「格安リフォーム」と言いながら当初60万円で契約しても、追加工事の名目で更に40万円以上支払ってもらえば、総額100万円以上になるので、結果的に儲かるという事です。

以前こちらの記事で、「追加工事が発生する事自体は珍しい事ではない」と説明しましたが、これを逆手に取った悪徳業者です。

こういう考えで格安リフォームを謳う業者がいるから、上記4つの企業努力で真っ当に安く提供している業者が、お客さんから「格安リフォームって危ないんじゃないの?」と疑われ警戒され、迷惑しています。

ほとんどの業者は少しでも安く提供しようと企業努力によりがんばっている。
しかし、一部の業者ではあるが追加工事ありきの悪徳業者がいるので注意。
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格安リフォームのメリット・デメリットは?

メリット

格安リフォームの最大のメリットは単純に「安く工事が行える」という事です。

その他のメリットとしては、悩まずに済むというのもあるかもしれません。

例えば壁紙で考えるとメーカーは何社もありますし、メーカーそろぞれで何百種類の壁紙が存在します。

キッチンにしても、メーカーを含め1から決めようとすると相当な数の候補があり、なかなか決められない人も多いです。

格安リフォームだと大概の場合、「この数パターンから選んで下さい」みたいに最初から選択肢が少ないので、悩み過ぎて決められないという事も少ないかと思います。

デメリットは?

格安のリフォームにもデメリットがいくつかあります。

悪徳業者の存在

先ほどすでに触れましたが、最大のデメリットは「悪徳業者の存在」です。

ほとんどの業者は少しでも安く工事を提供出来るように企業努力していると思いますが、ごく一部に追加工事狙いの悪徳業者が存在するので注意が必要です。

選択肢が少なく、希望を通すと結局高くなる

メリットで「選択肢が少ないので悩まないで済む」と説明しましたが、逆に色々と細かく悩んでから選びたい人にはデメリットになります。

ほとんどの格安リフォームでは、同じ商品を大量に仕入れる事で値段を下げている事が多い為、設定された金額内で選べる選択肢が少ない事が多いです。

決められたプランの中に気に入った物が無い場合には、オプション扱いで他の物を選ぶ事は可能かと思いますが、プラン外の商品を選ぶと、最終的な金額が高くなり格安リフォームの意味が無くなってしまいます。

商品にこだわりが無く、「なんでもいいから安くリフォームしたい」という人には格安リフォームは向いているかと思います。
逆に色々とリフォーム内容をこだわりたい人には向いていないかと思います。

まとめ

格安リフォームについて説明しました。

「格安リフォームって危ないんじゃないの?」と思っている方が多いのですが、真っ当な理由と企業努力により提供しているところの方が多いので、必ずしも危ない訳ではありません。

ですが、悪徳業者が存在している事も事実ですので、あまりにも安すぎる場合には警戒した方がいいかもしれません。悪徳業者は最初の契約金額なんていくらでもいいと思っているのですから・・・。

それと、やはり「格安リフォーム」とはいえ、このサイトの記事でも何度か取り上げた「相見積もり」は必ず行って下さい!