[リフォーム業者が教える]外壁塗装は何故高いのか。相場はいくら?

一戸建てに住んでいる人なら、ほとんど人が避けて通れない工事「外壁塗装」。

しかし、10年に1度程度とはいえ、結構な費用がかかります。

いざ、外壁塗装をしようと見積もりをお願いしたら金額にびっくりした人も多いと思います。

なぜ外壁塗装は予想していた金額よりも高額になるのでしょうか。

また、相場はいくらくらいなのでしょうか。

今回は、

外壁塗装の金額の謎とその相場を解説します。

相場はいくら?

外壁塗装をしようとするといくらぐらいなのでしょうか?

実際の家の状況や、選んだ塗料の種類、外壁の素材などにより値段は変わってしまいますが、私がお客さんに概算でお伝えするのは、

延坪が30坪(15坪の2階建)の家 → 60~90万円

延坪が40坪(20坪の2階建)の家 → 80~120万円

(屋根は含まず)

しかしこれは延床での概算です。実際には壁を塗装する訳ですから、概算を出すにあたり必要なのは壁の面積なのですが、壁の面積を把握している方は基本的にいないので、あくまで参考の値段として延床でお伝えしています。

「相場の金額は2パターンだけ?もっと色んなパターンの金額が知りたい」

と、思う方がいるかと思いますが、実は外壁塗装の相場は全然あてにならないのです。

それを次に紹介します。

外壁塗装の相場はあてにならない

先ほど、相場をお伝えしましたが、あくまでも参考程度に考えて下さい。

何故なら、その金額の範囲から外れる事が珍しくないからです。

金額が変わる要素

  1. 塗料の種類が多い
  2. 家の傷み具合が違う
  3. 家の立地条件
  4. 延床だけじゃ外壁面積は分からない

塗料の種類が多い

外壁塗装の塗料の種類はざっと挙げても

  • アクリル
  • ウレタン
  • シリコン
  • 無機
  • フッ素
  • 光触媒

などの種類があり、それぞれ耐久性などの品質が異なり値段もピンキリです。

使う塗料の種類により、値段は大きく変わります。

家の傷み具合が違う

傷み具合は、当然家によって違います。

高圧洗浄のみで塗装が出来る家もあれば、塗装前に補修が必要だったり、下地の状態が悪いので下塗りを2回行う、錆をキレイに削るなどをすれば当然費用は上がります。

家の立地条件

外壁塗装を行うには、足場工事が必須です。

家の前にトラックが停められ、隣の家との間隔が広ければ問題無く足場は組めますが、家の前にトラックが停まれなかったり、隣の家との間隔が狭ければ、足場をかけたり外したりする費用がかなり変わります。

延床だけじゃ外壁面積は分からない

先ほど、延床での相場をお伝えしましたが、延床での見積もりは全くあてになりません。

必要なのは床の広さではなく、外壁の面積だからです。

わかりやすくこちらのイラストをご覧ください。↓

ここに、縦・横の長さが7.28mの総二階の家があったとします。

延坪は、16坪 × 二階 = 32坪です。

 

次に、こちらのイラストをご覧ください。↓

こちらの建物は、先ほどの建物から右上部分が無くなった家です。

延坪は、12坪 × 二階 = 24坪です。

二つの画像の家は、それぞれ32坪と24坪です。

延坪だけで見積もりを業者にお願いすると、おそらく全然違う金額が提示されると思います。

ですが、この二つの家をよく見比べて下さい。外壁の面積は全く同じです。

また、延坪の見積もりでは建物の高さが入っていないので、外壁の高さが6mの家と9mの家では、外壁面積は全然違います。

この他にも、ベランダやバルコニーの有無、外壁の凹凸の有無、屋根の形状などによっても値段が大きく変わります。

外壁塗装の相場を紹介しましたが、同じ延床の家でも値段は大きく変わります。
相場をあてにせずに、あくまで参考程度にお考え下さい。

材料費は安い。儲けは多い?

「100万近い見積もりが出たんだけど、塗料ってそんなに高いの?」

始めて外壁塗装の見積もりをとると、多くの方が思う疑問です。

はっきり言えば、「塗料は全然安いです!」

見積もり金額の中で、塗料代はいくら?

先ほど、塗料の種類はいっぱいあると紹介しました。

使用する塗料によって値段はバラバラなのですが、概ね工事代金のうち塗料代は、

15%~25%くらいです。

100万円の工事であれば、塗料代は15万円~25万円です。

塗料以外の材料費は?

塗料以外の材料費は、養生費や補修パテ、シーリング材などがかかりますが、100万円の工事であれば、数万円程度です。

材料費がそれだけなら、めちゃくちゃ利益がある?

材料費が15~25%と聞くと、めちゃくちゃ利益があるように聞こえますが、

外壁塗装のほとんどの経費は人件費です。

最近はほとんど外注が多いですが、足場を組んだりバラしたりするのもほとんど人件費です。

足場を含めると、100万円の工事だと15~25人工(※人工→建築用語で1人工は1人の職人の1日分の意味。読み方は「にんく」)ほどかかります。

金額にすると40万~60万くらいです。

他に経費は?

他にかかる経費は、

  • 交通費
  • 廃材処分費
  • 宣伝広告費

などがあり、100万円の工事のうち最終的に15~25万円ほどが会社の利益になる計算かと思います。

特に最近では、宣伝広告にかなりの費用がかかっている印象です。

塗装工事というと、塗料の値段が大半を占めているかと思うかもしれませんが、実際は値段のほとんどが人件費です。塗料そのものは工事金額に比べ、そこまで高くはないです。

自分で出来る?

「工事代金のうちのほとんどが人件費であるならば、DIYすれば材料費だけしかかからない!」

工事のうち材料費の値段は安く、ほとんどが人件費だと聞くとこのように考える人もいるかと思います。

こちらの記事でも紹介しましたが、条件さえ合えばDIYでやる事は不可能ではないですし、実際にやった人も何人か知っています。

ですので、「出来ない」とは言いませんが、かなり大変だと言う事だけは承知の上トライして下さい。

少なくてもプロの塗装職人が数人で何日もかけてやる作業を、素人が一人でやる訳ですから簡単な訳がありません。

個人的に私は絶対におススメしません・・・。

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「塗装なんて、ローラーと刷毛で塗るだけでしょ?誰でも出来るじゃん!」と、軽い気持ちでチャレンジすると、後悔します。
自分でやるのならば事前の情報収集と、「絶対に折れない心」をもってチャレンジしてください(笑)

まとめ

外壁塗装の相場や、金額の内訳について解説しました。

塗装というと、作業は簡単なイメージがあるので、実際に見積もりをとると驚かれる人が多いのですが、

「実際はものすごく大変な作業です」

また、金額も職人の腕も業者によりピンキリです。

外壁塗装の際は、必ず相見積もりをとりましょう。