こちらの記事でも書きましたが、水道修理業者とのトラブルが近年増えています。
インターネット上で、業者を調べると想像以上に多くの業者が検索されます。
そしてほとんどの業者で「基本料金○○円~」という表記がみられます。
簡単な作業であれば基本料金のみで修理が出来ますと書かれていますが、本当でしょうか?
今回は、
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そもそも基本料金って何?
水道修理業者のホームページを見ると、ほとんどの業者で「基本料金」という言葉が使われています。
これはどういう意味なのでしょうか?出張費とは違うのでしょうか?
「修理作業をするにあたり、最低限かかる費用」
このような意味で使っている業者が多かったのですが、決まった定義はないようです。
つまり、見積もり金額は
基本料金 + 工賃 + 材料費 + 税
このようになると思われます。
相場を計算してみる
水道修理業者に頼んだ場合の相場はいくらくらいなのでしょうか?
これは業者によって値段設定もバラバラですし、修理内容によっても料金は大きく変わる為、一概に「相場はいくら」とは言えないかと思います。
ですが、別の視点で考えて「1件あたりいくらなら、会社として成り立つのか」を計算してみたいと思います。
作業員の日当
まず、作業員の日当から考えます。
一人で現場をこなせる技術者の日当は、地域や職種にもよりますが、関東圏だと15,000~25,000円です。
間をとって20,000円だとしましょう。
一日何件回れるか
先ほどの日当20,000円の作業員は、一日何件の現場を回れるのでしょうか。
作業時間は、何の作業をするかにもよりますが、作業内容から考えて平均でおおよそ1時間程度かと思います。
その他に準備したり、お客さんに作業内容を説明したり、書類を作成したりする時間で30分は必要です。
更に、現場の移動時間というのも必要になります。これは移動距離にもよるのでなんとも計算しにくいですが、5分、10分で移動できるはずがないので、平均すると1時間程度はかかるかと思います。
合計すると1件の現場を回るのに、約2時間半程度はかかります。
作業員が休憩時間なく10時間働いたとして、一日4件です。
日当が20,000円なので、
20,000円 ÷ 4件 = 5,000円
現場作業員の日当から計算すると、1件あたり5,000円は現場作業員の人件費になります。
交通費を計算してみる
交通費は、移動距離や高速道路の使用の有無で大きく変わりますが、平均1時間の移動時間だとすると、
- 1時間の移動距離 = 約30キロ
- 荷物を積んだ状態の車の燃費 = 7キロ/ℓ
- ガソリン代 = 150円/ℓ
この条件で計算すると、ガソリン代で600~700円になります。高速道路も使用する事を考えると1件あたり1,000円くらいはかかるかと思います。
広告費を計算してみる
業者に依頼するにあたり、多くのお客さんがチラシかインターネットで業者を探すと思います。
ポスティングチラシの印刷+配布をネットで簡易見積もりしてみたところ、地域や印刷部数によっても違いましたが、おおよそ4~7円です。
ポスティングチラシの反響率は業種によらず、良くて1/1000らしいので、チラシの単価を仮に5円だとすると、1件の現場をとるためには、5,000円のチラシ広告費がかかる事になります。
(最近ではマグネット広告が主流の為、単価は紙のチラシよりもさらに広告費は高いと思われる)
その他の経費を計算してみる
他にかかる経費として、
- 事務所の維持費
- 事務員・役員の給料
- 車の維持費
ざっくり考えてもこれらの経費が必要になります。
これらが実際にいくらになるかは、会社の規模によるので何とも言えないですが、現場の売上の中に含まれているのは間違いないはずです。
実際にいくらの経費がかかるか
先ほど出した1件あたりの経費を足してみます。
- 作業員の人件費 5,000円
- 交通費 1,000円
- 広告費 5,000円
合計11,000円 + その他の経費
この計算は、一件あたりの現場の経費なので、会社としての利益は含まれておりません。
ですので会社の利益を考えると、最低でも一件あたり15,000円の売り上げがないと会社が成り立たない計算になります。
しかも、この15,000円という数字は材料費を除いてです。
他に材料を使うのであれば、最終的な売り上げは平均2~3万円は必要になります。
最低でも1万円弱はかかると思った方がいい
材料費を含めた最終的な金額は2~3万円が必要と先ほど説明しました。
しかしこれは平均の金額なので、必ずしも最低2~3万円とらないと赤字という訳ではありません。
移動距離によっては交通費も少なくなるでしょうし、作業内容によっては材料費がほとんどかからない場合もあるからです。
しかし、「業界最安値!修理代2,000円!」などと書いてある業者がいかに信用出来ないかが分かるかと思います。
2,000円の売り上げで会社が成り立つ訳がないのです。
どんなに良心的な業者に頼んだとしても、最終金額は最低でも8,000~10,000円はかかると思った方がいいです。
格安基本料金に注意
先ほど、想像を含めてですが1件当たりに必要な売り上げを計算しました。
今回の本題に入ります。
基本料金が設定されている業者の見積もり内容は、
基本料金 + 工賃 + 材料費 + 税
このようになります。
どこの業者も最終的には、平均2~3万円の売り上げが必要になります。
極論を言えば、基本料金なんて限りなく安くていいのです。何故ならその分を工賃に上乗せすればいいのだから。
普通の業者が
基本料5,000円 + 工賃3,000円
このようにするところを、仮に「業界最安値基本料1,000円」のところは
基本料1,000円 + 工賃7,000円
このように見積書を作れば、最終的な金額は同じになります。
「この作業の工賃は〇〇円」という業界内での決まりがない以上、工賃は業者の言い値です。
ここで問題になるのは、
基本料が安い = 最終金額も安い
このようにお客さんが錯覚している事です。
ですので、見積もり金額が提示された時に「思っていた金額より高い!」となってしまうのだと思います。
基本料が格安すぎる業者は危ない
更に問題となるのが、格安すぎる基本料を設定している業者がぼったくり業者である可能性がある事です。
先ほどの例をもう一度出すと、普通の業者が
基本料5,000円 + 工賃3,000円
このように作業を行うところを、ぼったくり業者は
基本料1,000円 + 工賃25,000円
このような金額を提示する、いわゆるぼったくり業者の可能性があるという事です。
もう一度言いますが、悪質な業者にとって、基本料なんていくらでもいいのです。その分工賃を高くすればいいのだから。
基本料が安い = 最終金額も安い = 良心的な業者
このように感じるのは錯覚です。必ずしもそうではありません。