ぼったくり水道修理業者が急増。悪質な業者の特徴と手口

近年、「トイレの詰まり」「蛇口の水漏れ」などの水回りの故障を修理する業者とのトラブルが急増しています。

「5千円と聞いていたのに、作業終了後に10万円請求された」

「トイレにペーパーを流しすぎて詰まっただけなのに、修理代が30万円だった」

などの「悪質なぼったくり業者」による被害がニュースなどでも頻繁に取り上げられています。
(参考:読売新聞 相次ぐ「ぼったくり」水回り修理、「マグネット型」も要注意…年始に困ったらどうすれば?

今回は、

悪質な水道修理業者の特徴と手口

を解説していきます。

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ぼったくり業者かも?悪質な業者の特徴

典型的な悪質業者の特徴を紹介します。

※この特徴に当てはまるからといって、必ずしも悪質業者という訳ではありませんのでご注意下さい。

  1. 基本料金が異常に安い
  2. 会社規模の割に対応エリアが広い
  3. 5分で駆け付けます。など対応時間が異常
  4. 水道局指定工事店と書いてあってもどこの水道局か書いていない
  5. 業界最安値に挑戦している

一つずつ解説していきます。

基本料金が異常に安い

大手の会社を含め、多くの会社が基本料が5,000~8,000円程度に設定されています。

稀に安いところで3,000円~4,000円というところもありました。

建築業界の常識として、一人の技術者を一日使うのに職種にもよりますが、15,000~25,000円は必要になります。一人で現場をこなせない半人前の技術者であっても10,000~20,000円は必要です。

一つの現場で移動時間等含めると1~2時間はかかるとすれば、基本料が3,000~4,000円くらいまでは「安すぎないか?」とは思いますが、まだ現実的に理解は出来ます。

ですが、最近では基本料が1,000円~2,000円とか、一番安いと数百円とかの業者も広告でありました。

そんなに異常に安い金額で、会社が成り立つわけがありません。

あくまで基本料なので実際にはこの金額だけではなくて、工賃や材料費がかかるのでしょうけど、頼む方としてみたら「この金額で修理してくれるんだ」としか思えない広告の出し方をしています。

これが「実際に頼んでみたら高額だった」というトラブルに繋がっていくと思われます。

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会社規模の割に対応エリアが広い

創業20年以上の会社や、上場している企業などが全国的な範囲で活動しているのは分かります。それだけのノウハウも資金力もあります。

しかし創業1年とか2年で首都圏全域とかで活動している会社は、作業員数は何人でやっているのでしょうか?

100人近くで回っているのなら分かりますが、10人とかで回っているのなら、広告費や交通費等考えると一件あたり相当な額の売上を出さないと割に合わないはずです。

会社規模に比べて活動範囲が異常に広い場合には注意が必要です。1件あたりの単価が1万円くらいでは会社が成り立たない為、高額請求に繋がる可能性があります。

5分で駆け付けます。など対応時間が異常

これは、少し考えれば絶対に嘘だと分かります。

110番して警察が駆け付ける時間はどれくらいだと思いますか?

答えは、7分25秒(令和元年度警察白書より)です。

これは、田舎や離島などを含む全国平均の時間なので、都会であればもう少し早いかもしれませんが、

電話から5分で駆け付けるというのは、

国家権力がサイレン回して緊急出動してる時並みの速度です。

絶対に嘘です。あり得ません。

ぼったくりとは関係ありませんが、こんな嘘を堂々と書いている時点で怪しいです。

水道局指定工事店と書いてあってもどこの水道局か書いていない

悪質な業者が増えてきたので、ニュースなどでも「水道局が指定している工事店に依頼をしましょう」と呼び掛けています。

ですので、水道局指定工事店を探す事は良い事だと思います。

ですが、一つ注意点があります。

例えば、電気工事をする事が出来る「電気工事業」に登録されれば、その業者は日本全国どこでも電気工事をする事が出来ます。

ですが、「水道局指定工事店」というのは、その水道局が管轄している地域でしか工事を行う事が出来ません。

例えば、神奈川県の川崎市で水道局の指定を取ったとします。そうすると、川崎市で水道工事を行う事は出来ますが、隣接している東京23区や横浜市では水道工事を行う事が出来ません。

一つの業者が一つの水道局でしか指定を取れない訳ではない為、川崎市の業者が東京23区や横浜市で水道工事を行いたい場合には、それぞれ別で申請しなければいけません。

つまり、広範囲で事業を展開している水道修理業者は、全てのエリアの水道局に申請し、認可を貰う必要があります。

単に「水道局指定工事店」としか書いていない場合には、どこかの地域での指定は受けているのでしょうが、対応エリア全ての指定は取っていない可能性があります。

ですので、自分の住んでいる地域の指定を受けているのかは確認する必要があります。

業界最安値に挑戦している

多くの業者が「業界最安値」に挑戦しています(笑)

これは一つの宣伝文句なので、これが書いてあるからと言って悪質業者という訳ではないのですが、なんとなく怪しさを感じます(笑)

「挑戦しているだけだから、他の業者よりも安いとは別に言ってないよ」という言い訳が聞こえてきます。

最後のこの項目は、私の完全な主観で根拠もないので、参考程度にとどめておいて下さい(笑)

悪質な業者の特徴を5つ紹介しました。
冒頭でも書きましたが、この特徴の1つが当てはまるからと言って、必ずしも悪質な業者という訳ではありません。あくまでもこういう傾向があるということです。

値段を釣り上げる手口

実際に悪質業者はどのように値段を釣り上げるのでしょうか?その手口を紹介します。

簡単に直せるのに直さない

例えばトイレの詰まりの修理を依頼した時に、ペーパーの詰まりであれば通常簡単に直ります。

おそらく時間にして数分で直せる事がほとんです。

なのに、

「便器を外さないと直せない」

「機械を使わないと直せない」

などと言って、必要の無い高額な作業を行い、修理費を釣り上げます。

また、他にも水道管の水漏れが起きた時に、その部分の修理だけで直せるのに、

「水道管の腐食が激しいので全体的に直さないと直せない」

など、大掛かりな工事を行い修理費を釣り上げます。

部品交換で直るのに直さない

例えばトイレのタンク内の部品が壊れた場合に、本当はその部分の部品の交換で直るのに、

「もうこの部品はメーカーが作っていないので、トイレを丸ごと交換しないと直せない」

など「部品交換では修理不可」と嘘をついて、より大掛かりな作業を行おうとします。

元に戻せない状態にしてから値段を釣り上げる

例えば、トイレの修理を頼んだ時にトイレを外したとします。

その後に「トイレが古すぎて、元の状態に戻せない」と嘘をつきます。

そして、「元に戻すなら別の工事が必要で、追加で10万円必要」などと高額な値段をふっかけます。

お客さんからしてみると、トイレが外れたまま帰られても困るので、渋々追加費用を払ってしまう事が多いです。

値段を釣り上げる手口を紹介しました。
共通しているのは「直してもらわないと困る」というお客さんの心理を逆手にとっています。想定外の金額が提示されたら、一度冷静になりましょう。

まとめ

悪質な水道修理業者の特徴と手口を紹介しました。

「直してもらわないと生活出来ない」というお客さんの心理を利用して、悪質な業者は高額な請求を行ってきます。

「本当にこの金額が適切なのか?」「他の業者にも聞いてみた方がいいのでは?」と冷静に考える事が必要です。

高額な請求が提示された場合には、必ず「相見積もり」を行いましょう。