リフォームを行う際に、
- 「ちゃんと工事してくれるだろうか?」
- 「見えない部分で手抜きされないだろうか?」
- 「施工後に施工業者が倒産したら保証はどうなる?」
などを心配する方は多いと思います。
特に高額なリフォームになればなるほど、余計不安は大きくなりますよね。
そんな方には、「リフォーム瑕疵保険」を検討して頂ければと思います。
今回は、
リフォーム瑕疵保険とは?
リフォーム瑕疵保険の説明をする前にまずは「瑕疵(かし)」について一応説明しておきます。
瑕疵(かし)とは、通常、一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと。法概念としても用いられる。
引用元 Wikipedia:瑕疵
簡単に言えば「不具合」って事ですね。
リフォーム瑕疵保険の概要
リフォーム瑕疵保険とは、リフォームで不具合が起きた際に、保険会社が費用を払って施工した業者が補修を行う保険です。
このリフォーム瑕疵保険は、国土交通省が認定をした5事業者しか扱っておりません。
認定を受けているのは以下の事業者です。
また、この保険が使えるリフォーム業者もあらかじめ審査・登録されている必要があります。
(参考:一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会 登録事業者等の検索)
保険は誰に支払われる?倒産の場合には?
万が一、事故があった場合には保険会社の規定に沿った形で業者が補修工事を行い、業者にその補修費用が保険金として支払われます。(満額ではない。不足分は業者負担)
しかし、瑕疵が見つかった時点で既に施工会社が倒産している場合も考えられます。
その場合には、調査費用も含めた全額が依頼主(お客さん)に支払われます。
適用範囲と適用期間は?
保険に加入できるリフォーム工事範囲は、増築工事を除く工事を行った全ての範囲です。(増築工事はまた例外として、別の適用範囲になります)
適用期間は、工事個所により異なります。
簡単に説明しますと、
- 家の構造上重要な部分 → 5年(例外として増築は10年)
- 雨漏り → 5年
- その他 → 1年
入るとどう安心できる?
この保険に加入した場合、以下のメリットがあり安心できます。
- 保険会社とリフォーム業者の安心感
- 第三者の検査がある安心感
- 不具合が起きた時の安心感
- 業者が倒産した場合でも保険で賄える安心感
保険会社とリフォーム業者の安心感
保険会社は5社しか取り扱っていませんが、いずれも国土交通省から認可を受けています。
いずれも全国的に事業を展開していて、安定した経営を認められての認可ですので経営状態も良好と考えられます。
また、リフォーム業者も審査・登録制で「しっかりとした工事を行える」と認められた業者しか保険への加入が出来ません。
また、瑕疵のある工事が多いと認められた業者は除外されるので、一定のレベル以上の業者が登録されていると思われます。
第三者の検査がある安心感
施工を行った業者が
「問題のない工事を行いました」
と、言ってもお客さんにはそれが本当かどうか分かりません。
この保険に入る事で、リフォーム工事中や完了後に第三者検査員と呼ばれる第三者の人間が工事を監視・検査をします。
また、瑕疵が起きていると考えられる場合でも施工業者が
「うちの責任ではありません」
と主張したら、お客さんはそれが本当かどうかも分かりませんし、それを証明しようとすると自分で第三者機関へ依頼するか、最悪の場合裁判を起こすしかありません。
瑕疵があるかどうかの調査も保険内容に入っていますので、その場合でも安心出来ます。
不具合が起きた時の安心感
先ほども少し触れましたが、不具合が起きた場合にはそれが業者によるものなのかを調査してもらえるので、業者側と主張の違いによるトラブルも防げます。また、その調査費も保険に含まれます。
補修工事の際に、仮住まいが必要になる場合にはその費用も保険に含まれています。
また、万が一リフォーム工事の瑕疵が原因で、訴訟が起きた場合にはその費用も賄える場合があります。
業者が倒産した場合でも保険で賄える安心感
工事後に瑕疵が見つかったが施工業者が倒産していた場合には、その補修工事に必要な費用は100%保険により賄われます。(限度額以内であれば。)
リフォームをする前に知っておいて欲しい、リフォーム時に起きる業者とのトラブルを7個にまとめました。 契約後だと内容によってはどうしようもない事もありますので、契約前に必ずお読み下さい。 事前に知っておくことでトラブルの回避に繋が[…]
デメリットは?
ここまで、保険の概要やメリットを説明しました。
これだけのメリットがあるなら、全員入った方がいいのでは?と思われるでしょうが、
この保険にも以下のようなデメリットがあります。
- 全ての業者がこの保険を取り扱っている訳ではない
- 保険の適用期間が短い
- 保険料がかかる
- 検査があると工期が伸びる
全ての業者がこの保険を取り扱っている訳ではない
この保険は業者が事前に審査・登録をしていないと扱えない保険です。
ですので例えば、
- 「知り合いに業者を紹介してもらった」
- 「前にお世話になった業者に頼みたい」
- 「まわりの評判がいい、あの業者に頼みたい」
など、頼みたい業者が決まっている場合には、その業者が登録されていないとこの保険は使えません。
保険の適用期間が短い
先ほど説明したようにこの保険の適用期間はざっくり言うと、
「家の構造に関わる工事や、雨漏りは5年、その他は1年」
です。
例え瑕疵があったとしても、余程ひどい工事をしない限り5年以内で雨漏りはなかなかしません。
また、1年以内に発覚するような瑕疵は、そもそも見ればすぐに分かる状態だと思われる為、引渡し前に普通は保険を使うまでもなく、業者が手直しします。
など、実際に瑕疵があったと認められる頃には適用期間が過ぎている事が多いのはと考えられます。
保険料がかかる
保険なので、当然保険料がかかります。
この保険料はお客さん側、業者側どちらが支払うかは決められていないのですが、業者側にとってこの保険は、申請などで書類作成の手間が増える上に、メリットがほとんど無いので、多くの場合はお客さん側が支払う事が多いです。
検査があると工期が伸びる
施工中に検査を受ける必要があるため、工程に検査員の検査のスケジュールを組み込む必要があります。
雨天だと検査出来ない項目なども考えられるので、検査期間は多めに取られる事もあり、全体の工期が伸びます。(実際にどれくらい伸びるのかは、工事の規模や工事内容によります)
まとめ
リフォーム瑕疵保険について説明しました。
メリットは多いのですが、デメリットも多いので入るべきかどうか、しっかりと情報収集し考えた方がいいかと思います。
個人的には大規模な工事の場合には入るのもアリかなと思いますが、100万円以下の小規模の工事の場合には保険を適用させる状況が少ないので入らなくてもいいのかな、と思います。
これはあくまで私の考えですので、最終的手にはご自身で判断してください。
少しでも良いリフォーム工事が行われる事を祈っております。