近年、水道修理業者による「高額請求」「ぼったくり」のニュースがテレビやネットなどで多く出ています。
このサイトでも何度か記事に取り上げましたが、まともな業者は少ないのでしょうか?何故増えないのでしょうか?
理由はいくつも考えられるのですが、その一つに「まともにやると儲からない」というのが考えられます。
今回は、
実は多い水道屋の種類
一口に「水道屋」と言っても、実は色々な種類の水道屋さんがいます。
大きく4つに分けると、
- 公道に埋まっている水道管を新設・補修する水道屋
- 新築マンションや戸建の水道管を新設する水道屋
- リフォームや改修の際の水道工事を行う水道屋
- 水道メンテナンスを行う水道屋
①と②を兼業で行っていたり、②と③を兼業で行ったりしている業者もいますが、大きく分けるとこの4つに分けられます。
それぞれ簡単に説明します。
公道に埋まっている水道管を新設・補修する水道屋
道路の下に埋まっている水道管は、数十年すると老朽化の為交換が必要になります。
また、新しく開発された土地に水道管を新設する際には道路の下の本管と呼ばれる水道管を埋設します。
重機やトラックなども必要になり、入札が必要な公共事業なので、比較的規模の大きい会社が行っている事が多いです。
新築マンションや戸建の水道管を新設する水道屋
新築マンションや戸建を建てる際には、当然ながら水道工事が必要になります。
同じ水道屋でも道路の埋設されている水道管の工事とは、使用する材料や道具も変わってきます。
図面通りに施工する技術が求められます。
リフォームや改修の際の水道工事を行う水道屋
マンションや戸建の大規模なリフォームを行う際には、水道工事が必要になる場合が多いです。
現場ごと状況が違う為、必要な工程・材料・技術が変わるので、新築現場よりも臨機応変さを求められます。
水道メンテナンスを行う水道屋
蛇口の水漏れや、トイレの詰まりの修理などを行う業者です。
上記3つの水道屋さんとは、必要になる知識や技術が異なります。
蛇口やトイレなどの、メーカーごとに違う部品の種類や修理方法を把握する必要があります。
また、下水管の詰まりや漏水調査を行う際には専用の道具が必要になりますが、それらの道具が一番揃っているのが、このタイプの水道屋さんです。
水道メンテナンス専門以外のところなら安く済む可能性が高い
最近話題の多い、「ぼったくり業者や悪質業者」と言われている業種は④のメンテナンスを行う水道屋さんです。
※メンテナンスを行う全ての水道屋が悪質と言っている訳ではありません。
広告費がかかっているので④は高い
④のメンテナンスを行う水道屋さんは、一般のお客さんを獲得する為に莫大な広告費をかけています。
それが工賃に反映する為、請求金額は高くなります。
また、個人事業主に業務委託を行っている会社も多く、業務委託された下請けが、少しでも利益を増やそうとする為に「高額請求」へと繋がっていくケースが多いです。
(詳しくは関連記事をお読みください)
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水道局に業者を紹介してもらえる
「④が高いのであれば①~③の水道屋さんに頼めば安くなるか?」
答えは「YES」です。正確に言えばその可能性は高いです。
ですが問題は「広告を出していない業者をどうやって探すのか?」ですが、地域の水道局に聞けばその水道局から指定を受けている①~③の水道屋さんを紹介してもらえます。
水道局に業者を紹介してもらうように推奨されている
実際、ニュースや水道局などでも
「水道局に業者を紹介してもらうように」推奨されています。
(→ 参考:名古屋市上下水道局)
では、「水道局から①~③の水道屋を紹介してもらって、そこに依頼すれば全て解決なのか?」
実はそう簡単にはいかない事情があります。
それは、
「①~③の水道屋は積極的にメンテナンスに来てくれない事が多い」という事です。
その理由を次で説明します。
水道局に聞けば、それ以外の水道屋さんも紹介してもらえる。
水道局紹介の業者に頼んでも断られる事が多い
水道局に紹介してもらった業者にいざ連絡してみても、断られるか「最短の訪問が1~2週間後」など、積極的に動いてもらえない事が多いです。
積極的でない理由は「儲からないから」
今回の記事のテーマでもあるのですが、積極的に動いてくれない理由ははっきり言って儲からないからです。
こちらの記事で水道メンテナンスの相場は、一つの現場で数千円~数万円であるとお伝えしました。
(→ 参考:水道修理の料金の相場はいくら?どの金額からぼったくり?)
それに対し、先ほど紹介した①~③の水道屋さんは、一つの現場に対して安くても数十万円。規模の大きい現場だと数千万~数億円にもなります。
わざわざ数千円の仕事に訪問する理由が無い
余程ヒマな会社なら別ですが、一般的な①~③の水道屋は1~2か月先まで予定が埋まっています。
それも一件の現場で数十万円から~数億円の現場です。その現場を一人の職人が抜けてまで「数千円~数万円」の仕事に、わざわざ行く理由がないのです。
行っても数千円にすらならない事もある
また、最近では悪質な業者が増えている為「相見積もり」が推奨されています。
相見積もりをすること自体は当然だと思いますし、当サイトでもススメています。
ですが、先ほど言ったように、大きなお金が動いている現場をわざわざ抜けて訪問しても、お客さんから「相見積もり」したいと言われれば、全くお金にならない仕事になります。
まともな水道屋さんが少ないのは儲からないから
もし、メンテナンスの仕事が一件あたり数千円~数万円でも儲かるのであれば、①~③の水道屋さんはメンテナンス業に積極的に参入しているでしょう。
ですが、実際①~③の水道屋はメンテナンス業をやろうとしません。
「たまたま時間が空いてたら行ってもいいかな」程度です。
メンテナンス専門でやっている水道屋以外は、メンテナンス業は儲からないのです。
それが、メンテナンス業にまともな水道屋さんが増えない理由です。
水道局に紹介してもらっても無駄?
先ほど①~③の水道屋は、なかなかメンテナンスに来てもらえないと書きました。
では、水道局に紹介してもらう事は無駄なのでしょうか?
また、どうやって業者を探せばいいのでしょうか?
結論は言えば、水道局に紹介してもらう事は無駄ではないし、そうやって探すべきです。
④の業者も水道局に登録されている
水道局に登録されているのは、①~③の水道屋だけではありません。
④の業者も登録されているので、地域にもよりますが片っ端から連絡すれば④の業者がいると思います。
片っ端から連絡するのは少し面倒かもしれませんが、ネットやチラシから探すよりも、ぼったくられる可能性は低くなるので、やはり水道局に登録されている業者から探すべきです。
時間が合えば①~③の水道屋も来てもらえる
①~③の水道屋は絶対にメンテナンスをやらない訳ではありません。
その時の都合が合えば、来てもらえる可能性は十分あります。
補足
そもそも水道局に登録されているのは業者が水道局に「メンテナンスの問い合わせがあれば紹介して下さい」と申請しています。
ですので、絶対に来てくれない訳ではないのですが、優先度が低く積極的には動かないという事です。
急ぎでないのなら待つ
「水道管が破裂している」「トイレから水が逆流している」
などの、緊急性が高い状況では待てないと思いますが、今すぐに解決しなくてもいい状況であれば、業者の都合がつくまで待つというのも必要かと思います。
だが、上記で説明したように積極的に動いてくれないところが多いので、2~3件連絡して来てくれないからといって諦めずに、片っ端から連絡した方がいい。
面倒かもしれないが、ネットやマグネットチラシから連絡するよりも、ぼったくられる可能性はかなり下がる。
まとめ
まともな水道屋がメンテナンス業に積極的に動いてくれない理由を説明しました。
ですが、結局のところ水道局から紹介してもらうのが一番確実な方法です。
数件連絡して断られたといって諦めずに、何件も連絡しましょう。また、どうしてもすぐ来てくれないのであれば、業者の都合がつくまで待つという選択肢も考えられます。
焦ってマグネットチラシの業者に連絡して、ぼったくりの被害に遭うよりかは、生活しづらいかもしれませんが待てる状況であれば待った方が賢明です。
水道業者を選ぶ際に、少しでもこの記事が参考になって頂ければ幸いです。