トイレのつまり、蛇口の水漏れなどは、生活していれば誰にでも起こりうるトラブルです。
テレビのニュースなどでも取り上げられていますが、その水道の修理業者とのトラブルがここ数年で激増しています。
なぜ水道修理業者はトラブルが多いのでしょうか。
その3つの根本的理由とは、
- 作業員は個人事業主である
- 作業員は完全に歩合制である
- 料金はその場の言い値である
今回は、この内容を詳しく説明していきます。
※多くの水道修理業者がこの業態ですが、全ての水道修理業者に当てはまる訳ではありません。
水道修理業者のトラブルが多発している
- 蛇口から水が漏れている
- トイレが詰まった
- 水道管が破裂した
このような水道に関しての修理が必要になった際に、チラシ広告やマグネット広告から業者を手配したところ、
- 最初に聞いていた金額と全然違う
- 修理が終わってから高額な請求をされた
- 高額な支払いをしたのに修理が不完全
このような業者とのトラブルがここ10年程で急増しており、テレビやネットニュースなどでも度々取り上げられています。
トラブルが多い3つの根本的理由
作業員は個人事業主である
実際に自宅で作業を行う作業員は、ほとんどの場合には修理を依頼した会社の社員ではなく、そこから派遣されてきた個人事業主です。
個人事業主だと、何が問題になるかというと、
技術やマナーの教育が不足している
社員ではないので、技術やマナーの教育が徹底されていません。
特に技術に関しては大きな問題があると思います。
普通、技術者として現場を一人で回れるようになる為には、少なくても数年は下積み期間がないと無理ですが、この業界は、
「素人が1~2週間の研修を受けただけで現場に派遣される」
このような事が当たり前に行われています。
何も分からない作業員が現場にきて、状況を電話で会社に報告して修理方法を聞きながら修理を行う。このような修理方法でトラブルが起きない訳がありません。
現場トラブルの責任は個人事業主
普通の社員であれば、社員が起こしたトラブルは会社の責任です。
ですが、下請けである個人事業主が起こしたトラブルは、個人事業主がとる事になります。
例えばこんなトラブルが考えられます。
- Aという会社に修理を依頼したとします。
- AはBという個人事業主に仕事を任せます。
- お客さんのもとへ来るのは、Aの会社名を名乗ったBが来ます
- Aの会社名を名乗っているので、お客さんはAの社員だと思っています
- Bが現場でトラブルを起こし、お客さんはAに対応を求めます
- するとAは「Bはうちの下請け業者なので、対応はBと話し合って下さい」
このように、現場の責任が非常に曖昧になります。
作業員は完全に歩合制である
特に営業職などは、歩合制という給料体制をとっているところは多いと思います。
普通の歩合制とは、
基本給 + 歩合給
になるかと思いますが、水道修理業者の歩合は違います。
100%歩合給
100%歩合給なんて許されるの?と思われるでしょうが、普通のサラリーマンでは許されません。必ず最低限の基本給は必要です。
ですが、先ほど説明したように作業員は「個人事業主」です。会社員ではないので100%歩合給でも許されてしまうのです。
では、完全歩合制だと何が問題になるかというと、
強引に修理金額を引き上げる
修理金額が多くなればなるほど、自分に入ってくる金額が大きくなるので、
少しでも高い物や、高い修理方法を勧めてきます。
単に、「こっちの商品は少し高いけどおススメですよ」という営業方法なら問題ないかと思うのですが、
「(本当は簡単な修理で直るのに)本体丸ごと交換しないと直らない」
「(本当は壊れていないのに)ここが壊れているので交換が必要」
など、ウソを交えた営業方法をとる作業員がいるのが大きな問題になります。
キャンセルしたいのに帰ってくれない
普通の営業職であれば、仮に売り上げが0円だったとして、基本給は発生します。
ですが完全歩合だと、売り上げが0円なら自分の収入も0円です。
するとどうなるか。作業員は0円のまま帰ってしまうとタダ働きになってしまうので、なんとか数千円だけでもとろうと粘る場合があります。
お客さんからすると、もうキャンセルしたいのに、なかなか帰ってくれないという問題になります。
料金はその場の言い値である
料金表というものは一応存在している事が多いですが、基本的に値段は現場で作業員が決めます。
確かに家の状況によっては同じ作業でも作業時間や作業難易度が変わるので、「この作業は一律で〇〇円」と出しにくいのは事実だと思うのですが、それをいい事に値段は現場作業員の言い値になる場合が多いです。
例えば同じ作業であっても5万円請求される家もあれば、3万円の家があったり、10万円の家があったりと、見積もり金額が現場の作業員が全て言い値で決めるという事に問題があります。
冒頭でも書きましたが、必ずしも全ての業者がこれに当てはなる訳ではありません。
トラブルにならない為には
業者とのトラブルを回避する方法をいくつか紹介します。
水道局に業者を紹介してもらう
「給水装置指定工事店」という、水道局から「この地域で水道工事をしてもいいですよ」と指定を受けている業者がいます。
通常、水道局に問い合わせると、この指定工事店を教えてもらえるので、お住まいの地域の水道局に、
「水道の調子が悪いのだが、指定の工事店を教えてもらえないか?」
と、問い合わせてみて下さい。
広い範囲でやっている業者ではなく地元の業者に頼む
広く、色々な地域でやっている業者よりも地元の業者に直接頼んだ方がトラブルは少ないです。
地元の業者は自分の活動地域で、トラブルの噂が立つと商売に影響するので、大きなトラブルにはならない可能性が高いです。
必ず見積書を書面でもらう
「作業完了後に高額な請求をされた」
このようなトラブルもよく聞きます。必ず事前に金額の確認をしましょう。
またその際には、金額を聞いただけでは不十分です。必ず書面にて確認しましょう。
高額になりそうな場合には相見積もり
「1万円以内で直ると思っていたら、10万円かかると言われた」
このように、想定していた金額よりも高額になる場合は、一度冷静になって考える必要があります。
上記で説明したように、「現場作業員の言い値」で提示されている可能性がありますので、他の業者に聞いたら1万円以下で直るかもしれません。
高額な見積もりが出た場合には必ず相見積もりとりましょう。
しかし、絶対にトラブルにならない訳ではないので、大切なのは少しでもおかしいと思ったら、水道局や消費者センターに相談をする事です。
まとめ
水道修理業者にトラブルが多い3つの根本的理由と回避方法を紹介しました。
水が噴き出したりトイレが使えなくなったりすると、すぐ直さないとと焦ってしまう気持ちは分かります。
ですが、チラシやマグネットの業者を手配し、言われるがままの金額を払ってしまうと大きなトラブルになる事例が多く発生しています。
水道の修理は、いつ誰が必要になってもおかしくはない事です。事前に信頼できる業者を探しておくというのも一つの手かもしれません。