知人が騙され、リフォーム業者が悪徳業者と戦った話。

  • 2021年5月5日
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このブログでも何度か悪徳業者の存在について記事にしました。(詳しくは関連記事をお読み下さい。)

自分の周りの人間にも、「悪い業者は世の中いっぱいいるから気をつけろ」と言ってるのですが、実は知人が以前騙された事があります。

今回はその時の、

知人が騙されて、業者と戦った話

を紹介します。

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知人の親が騙された

数年前に小学生時代からの友人から、一本の電話が来ました。

「うちの親がなんかよくわからん業者と、500万円以上の金額で契約しちゃったみたいなんだよね」

「話を聞いても良くわからないから、悪いんだけど見積書とか契約書を見てもらえないかな?」

この友人は地元が同じなのですが、現在は飛行機に乗らないと行けないくらい遠くに住んでいる為に、今回の工事の契約を全く知らなかったみたいです。

契約後に話を聞いて不安になり、親とも面識のある私に、一応工事内容を見て欲しいとの事でした。

こんな業者まだいるんだという驚き

私「お久しぶりです。なんか高額なリフォームの契約をしたと聞きましたけど。」

親「そうなのよ。なんか勢いで契約までしちゃったんだけど、不安になっちゃって。」

とりあえず、見積書を見せてもらいました。

見た瞬間の感想は、

「絶対これ悪徳業者だわ。てか、未だにこんな業者いるんだ」

見積書だけでそう思うくらい、ひどい見積書でした。

全部ひどいのですが、具体的に挙げると

  • 物の品番・個数が不明
  • 500万を超える工事なのに項目が10行程度しかない
  • そもそも何の工事なのか不明

特に「そもそも何の工事なのか不明」が凄いですよね。普通、見積書を見れば「何を、何に、どのようにリフォームをするのか」分かるように書くのですが、この見積書は、

  • 屋根工事一式(撤去代含む)
  • 外壁工事一式(撤去代含む)

こんな感じの項目しか書いてありませんでした。

私「さすがにもらったのってこれだけじゃないですよね?他にもらった書類は?」

親「置いていったのはこの見積書と契約書だけだよ」

契約書だけはしっかり作られていた

契約書を確認すると、契約書はしっかりと作られていました。

契約書に不備があると、契約が無効になってしまうので、悪徳業者といえども契約書だけはきっちりと作成します。

契約の日付をみると、この時点から10日前。クーリング・オフの期限が切れていました。

何故こんな契約をした?

何故こんなよく分からない工事の契約をしてしまったのかを、長くなるので箇条書きにします。

  1. ある日インターホンが鳴り、出てみると知らない業者
  2. その業者は「近くで工事をする予定なので、挨拶にきました」と挨拶にきた
  3. 業者「挨拶ついでに、家の外壁と屋根がだいぶ傷んでいるみたいなので無料で調査しましょうか?」
  4. 無料ならとお願いする
  5. 15分くらい点検をし、「思った以上に痛みがひどいです」「今すぐにでも工事をした方がいい」と言われ不安になる
  6. 明日、詳しい人間を連れてもう一度来ますと言い、その日は帰った
  7. 次の日に、職人らしき人と再訪し、約500万円の契約を結ぶ
  8. その更に3日後に上司と一緒にカタログなどの資料を見せに来て、契約書を置いていく(カタログなどは持ち帰る)
  9. 契約書を置いて行った7日後(契約日から10日後)に私が契約書を見る ←今ここ

こんなに簡単に500万円の工事契約を結んでしまう客側にも責任がありますが、どう考えてもこれは典型的な悪徳業者だと思います。

ここから、友人と友人の親の許可を得て、業者との戦いが始まります。

業者との闘い

その日のうちに私から業者に電話しました。

業者
もしもし。〇〇工業の××です。
HAMA
あ、すいません。〇〇区の××邸のお客さんの事で連絡したのですが。
業者
はい。どのようなご用件でしょうか?
業者
あ、その前に××様とはどのような関係でしょうか?息子さんですか?
HAMA
あ、申し遅れました。私、××さんの知人の△△と申します。
××さんに頼まれて、今回問い合わせさせて頂いてます。
業者
はぁ。知人ねぇ。で、何ですか?
私が知人と言うと、急に態度が悪くなりました。
HAMA
見積書を見たのですが、これって何の工事をやるのか全く分からないのですが。何の工事をやるんですか?
業者
第三者のあなたには関係ないですよ
HAMA
いや、××さんの依頼で問い合わせているので、無関係ではないですよ
業者
××さんにはしっかりと説明してあるんで。それで納得の上でサインもらってるので、あなたに説明する義務はありません。
HAMA
××さんに工事の内容を聞いても全く理解してませんでしたけど?しっかりと説明して納得してるとは思えませんが。
業者
納得してないなら、契約書にサインしないでしょ。サインしたって事は納得したって事ですよ。
その後に、「実は納得してなかった」って言われても知りませんよ。
HAMA
とりあえず、工事内容を説明してもらえませんかね?
業者
あなたに説明する義務はないのでしません。
そもそもあなた弁護士ですか?
HAMA
いえ、弁護士ではないです。
業者
だとしたら、こうやって間に入って交渉しようとするのは「非弁行為」で違法ですよ。
悪徳業者に違法者扱いされるとは・・・・(笑)
HAMA
報酬を得る目的でなければ、非弁行為にはならないですよ。よく調べてから言って下さい。
業者
あっそ。とにかく契約は終わってるので、工事内容について第三者にわざわざ説明する義務はありませんので。
HAMA
じゃあ、工事内容についてはいいです。金額についてお聞きします。
HAMA
これ、500万円超えてますよね?
業者
だから?
HAMA
建築業許可持ってるんですか?
業者
・・・
HAMA
ご存じだとは思いますが、500万円を超える工事をするなら、建築業許可がないと違法ですよ。持ってるんですよね?
業者
それも、わざわざ第三者に説明する義務はないんで。
HAMA
さっきの工事内容とは訳が違いますよ?もし持ってないなら、知人が業者に騙されて、違法な工事を行われようとしている事になるので、止めるなり通報するなりしないといけないんで。
HAMA
ちなみに適当な嘘ついても、調べれば許可あるか無いかくらい、すぐ分かるんで。持ってるんですか?
業者
いや・・・うちは持ってないですが、施工するのは持ってるところにやらせるので・・・。
HAMA
なんていう会社が施工するんですか?
業者
いや・・・それはまだ決まってないんで・・
HAMA
工事開始予定日が数日後なのに、まだ決まってないんですか?そんな事あります?
業者
いや・・とにかくまだ決まってないんで・・・
業者
とりあえず、あなたに詳しく説明する義務はないし、これ以上の対応を求めるなら、こっちも上司に相談しないといけないんで・・・
HAMA
あー待て待て。どうせ上司に相談したって、んじゃ499万円に値下げしようって事になるだけだから。
HAMA
そんな対応を求めてる訳じゃないんで。
HAMA
とりあえず、××さんはクーリング・オフしますんで、申告のハガキなども今日中に出すので、対応お願いしますね
業者
クーリング・オフ!?
出来ないですよ
HAMA
なんで?
業者
契約日からもう今日で10日目なんで。
クーリング・オフの適用期間は契約日含めて8日間なんで。
HAMA
なるほど。それはさすがに知ってるんですね。
HAMA
ところで、契約日は10日前になってるけど、この契約書はその3日後に上司と一緒に来た時に渡してるよね?
業者
・・・だから?
HAMA
もう一度、聞くけど契約日の3日後に、上司と一緒にカタログとかを持ってきて工事の内容を説明をした。その時に契約書を渡したんだよね?
業者
えっ・・・あぁ、はい
HAMA
そこで、すんなり「はい」って答えちゃうって事は知らなかったんだろうけど、クーリング・オフの期間は「契約日」から8日間じゃないからね?
「契約書を渡した日」から8日間だからね。
業者
・・・
HAMA
なので、××さんのクーリング・オフの期間はまだ残ってます。
さっきも言ったけど、今日中に手続きするんで、そっちも対応よろしく。
業者
いや・・・クーリング・オフは出来ないはずですよ
HAMA
それ以上「クーリング・オフ出来ない」って言うと、クーリング・オフの妨害になって、余計にクーリング・オフの期間伸びるからやめといた方がいいよ
※業者側から本当は出来るのに「クーリング・オフは出来ない」など、ウソの説明があるとクーリング・オフの期間が延びる
業者
・・・
HAMA
とりあえず、この会話は念のため録音してあるんで、裁判などで戦うのであればどうぞ。帰ったら上司と相談してください
結果、その後業者側からは一切連絡が来ることが無かったので一件落着です。
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まとめ

今回のケースでは、前金が発生していなかった事により、スムーズにクーリング・オフが出来ましたが、前金を払っていると、ちゃんと返金されるかの心配もあります。

また、今回のケースで担当者が「契約書はちゃんと契約日に渡した」と嘘をついたら、どうなるでしょうか。

「契約書をもらった日は契約日から3日後です」という証明は難しいので、面倒な事になってしまったと思います。

悪徳業者には気を付けましょう