注文住宅で値引き交渉は可能なのでしょうか?
他のサイトをみると「値引きは難しい」と書いてあるサイトが多かったのですが、本当でしょうか?
私は「値引き交渉は可能である」と判断します。
根拠は自分自身や、まわりの注文住宅を建てた人に話を聞くと、値引きしてもらえなかった人はいないからです。
今回は
こちらを紹介したいと思います。
注文住宅で値引きは難しいと言われる理由
私自身の体験談として、家本体の費用を150万円以上値引きしてもらいましたし、注文住宅で建てた知人も皆100万円以上は安くしてもらっています。
時期などの関係もあったと思いますが、最高で400万円近い値引きに成功した人もいました。
しかし、私は全くそう思わないのですが、注文住宅で値引きは難しいと一般的には言われているようです。
その理由を調べてみました。
理由は大きく2つです。
理由① 売れ残りのリスクがない
注文ではなく、建売住宅の場合には「建ててる途中」もしくは「建て終わってから」販売をします。
スムーズに売れてくれればいいですが、万が一予測していた期間に売れなかった場合には売れ残りの状態になります。
売れない限り、建てた時にかかった経費も回収できないどころか、所有者は建売業者になっているので固定資産税などの税金もかかります。
つまり、売れ残り期間が長ければ長い程、赤字になっていきます。
ですので、多少の値引きをしてでも「売れ残るよりはマシ」という判断により、値引きがされます。
対して注文住宅の場合には、お客さんとの契約後に家を建て始めます。
ですので、「売れ残り」というリスクもありませんし、土地の所有者はお客さんなので、固定資産税などの税金も発生しません。
理由② 値引き交渉をすると材料費を削られる
「予算を少し超えているので、あと50万円安くなりませんか?」
このように交渉をすると、担当者の返事は
「では、この部分を削れば50万円減るので、予算内に収まります」
という返事が返ってくる事が多いです。
お客さんの意向としては
「この内容で金額だけを下げて欲しい」と交渉したつもりでも、
材料や仕様を変更する事で値段の調整をされてしまうので、単純な値引きは難しいとの事です。
値引き交渉の注意点
値引きの交渉をする際の注意点を紹介します。
交渉前に商品や仕様を確認しておく
建売住宅の場合には、基本的には家は完成、もしくは完成間近で契約をします。
その際に例えば「100万円の値引き」をしてもらったとします。
家は既に完成しているので、そこから材料や、仕様、間取りなどを変更する事は不可能です。
100万円の値引きは、家本体価格からの100万円の値引きです。
対して注文住宅は建売と違い、お客さんが契約・発注してから建てます。
その際に、100万円の値引きをお願いし、承諾してもらったとします。
しかし、本当はAという商品を付けるつもりだったけど、Bという安物に変更されている可能性があります。
安くしてもらったとしても、商品や仕様のグレードをその分下げられたら値引きとは言えません。
先にしっかりと見積もり内容の商品や仕様を確認しておき、値引き後もそれらが変わっていない事を確認しなくてはいけません。
補足
メーカーや担当者にもよりますが、契約前に見積もり金額に含まれている商品の細かいグレードや仕様などは、聞かないとあまり教えてくれません。
値引きの承諾をもらったつもりでも、商品や仕様で値段を調整しているだけの可能性があるので注意しましょう
オプションなどを全て含めてから交渉する
オプション工事はあまり最初の見積もりには入っていません。
値引きを求めたとしても、
「オプションを選んでもらった際に、そちらでサービスします」
「無料でオプションの○○をつけます」
車を新しく買う時などもそうですが、オプション内容で「値下げした事にする」という営業テクニックを使ってきます。
もちろんそれで本当にお得になってる場合もあると思いますが、
- 具体的にいくら得になったのか?
- 本当に得だったのか?
- 元々このオプションはいくらだったのか?
オプション工事で値下げした気分になっただけで、実際は何も得していないという可能性が出てくるので、お願いしたいオプションがある場合には、値引き交渉の前にオプションの見積もりを先に出してもらった方がいいです。
ポイント
元々の金額が50万円のオプションだったとしても、
オプション工事 70万円
特別値引き ー20万円
このように書かれたら、実際には1円も得していないのに、値下げしてもらった気になってしまう
必ず契約前に交渉する
当たり前ですが、値引きの交渉は契約前にします。
契約後に
「もう少し何とか安くならないか」
と、交渉したところで安くしてもらえる訳も無いですし、相手を不愉快にさせるだけで、良識も疑われます。
補足
ただし、契約後に発生した追加工事に対して値段交渉するのはアリ。
キャンペーンは内容次第では意味が無い
全てのキャンペーンに当てはまる訳ではなく、本当にお得なキャンペーンもあると思いますが、注文住宅においてのキャンペーンは注意が必要です。
例えば
今月中に成約の方全員に100万円値引き
このようなキャンペーンがあったとします。
100万円引いてもらえるならお得に感じますが、そもそも100万円程度は、キャンペーン期間外でも、交渉次第では値引き可能です。
キャンペーンを受ける事で「キャンペーン商品なので、その他のサービスが一切出来ません」と言われる事もあるので、本当にお得なキャンペーンなのか見極める必要があります。
「最終的な金額が通常より安くなっているか」が重要。
値引き交渉のポイント
100万円以上の値引きを実現するポイントをまとめてみました。
複数社から見積もりをとる
これは絶対に必須です。
見積もりをしてもらう時に担当者から、
「他の会社でも見積もりをしてもらってますか?」
という質問がされる事があります。
その時には
「しています」
と必ず答えましょう。
もし、担当者から聞かれなかったとしたら、自分からその事を告げます。
競合相手がいるのかいないのかで、そもそも出してくる見積もり金額が変わります。
他社の詳細な見積もり内容は伝えない
他社の見積もり内容は金額だけしか伝えない方が良いです。
詳細な見積もりを伝えたり、見積書を見せると担当者は、
「この会社は○○の金額が入っていないので安く見えるだけですよ」
などと、他社の見積もり内容の方が安い言い訳をしてきます。
本当の場合もあると思いますが、言いくるめてきてるだけの可能性もあり混乱するだけです。
詳細な見積もり内容を教えるのは、どうしても交渉に必要な時だけにした方がいいと思います。
補足
ここでは値引き交渉の事だけに焦点を当ててますが、値引き交渉以外でも複数の会社から見積もりをとる事は大切です。その際には金額だけでなく、仕様やグレードなどもしっかりと比較しましょう。
大手のハウスメーカーの方が値下げ幅は大きい
工務店やローコストメーカーと言われる「安さを売りにしている会社」は、元々の金額が大手ハウスメーカーよりもかなり安いです。
利益も少ない事が多い為、大幅な値引きをしてもらえない可能性があります。
対して大手ハウスメーカーの場合には、金額も大きいですが利益分も大きい為、時期や交渉次第では大幅な値引きをしてもらえる可能性が高いです。
冒頭で紹介した、400万円近い値引きに成功した知人は、約10%の値引き率でした。
ポイント
交渉次第で可能と思われる値引き率
ローコストメーカー 値引き率 1~5%
大手ハウスメーカー 値引き率 5~10%
(個々のメーカーや時期により変わる)
すぐにでもこの会社に決めるという意思表示
値引き交渉をするにあたり大切な事は「値段次第では契約する」という意思表示です。
「参考までにどれくらい値引きしてくれるんですか?」という感じで交渉すると、向こうも本気で取り合ってくれません。
すぐにでも契約する意思
- 「これから1年かけて会社選びしようと思ってます」
- 「値段次第では今日にでも契約します」
もしあなたが営業担当だったら、どっちのお客さんに対して「本気」で値引きするでしょうか?
後者のお客さんであれば、上司に掛け合ってでも「本気」の値引きを提示すると思います。
値引き交渉は最初からしない
自分の会社と契約してくれるかも分からないお客さんに初回から
「いくら安くしてくれるの?」
と聞かれても、営業マンは適当な返事しかしませんし、「面倒な客」と思われかねません。
何回か打ち合わせを重ねてから、最後に
「ここの会社で決めたいのだが、値段だけが引っかかっている」
と、伝えて値段交渉を始めた方が絶対に上手くいきます。
まとめ
注文住宅の値引きについて紹介しました。
普段の生活用品などが「1%引き」になっていたとしても、対した魅力は感じないかもしれませんが、住宅は人生で一番高い買い物と言われる程の高額商品です。
仮に3000万円の家であれば、1%=30万円です。
上手く交渉するかしないかで、1~10%の金額が変わります。場合によっては車一台買える額です。
注文住宅でも値引き交渉は可能です。担当者に嫌われない程度に、しっかりと値引き交渉する事をおススメします。
この記事が少しでも参考になる事を祈っております。