かつては木造住宅に屋上をつけるのは一般的ではありませんでした。
理由は規制により10㎡以下(約5.5帖)でしか、バルコニーを作る事が出来なかったからです。
しかし平成20年にその規制も撤廃され、今は木造住宅であっても自由に作る事が出来ます。
今回は実際に木造の屋上を作った経験から
何故作る事が出来るようになった?
かつては木造住宅では規制により、10㎡以下かつ勾配が1/50以上つけないと屋上バルコニーを作る事が出来ませんでした。
10㎡というと約5.5帖です。少し広いベランダ程度です。
また、勾配1/50というと真っすぐ立っていると斜めになっているのが分かるくらいで、居心地がいいとは言えない勾配です。
何故そのような規制があったかというと、一番の理由が「雨漏り」です。
普通の屋根と違い、バルコニーにすると雨が降った際にどうしても水が溜まりやすくなります。
また、普段から人が歩いているとバルコニーの床の部分の劣化が早くなり、通常の屋根に比べて雨漏りする可能性が格段に上がりました。
ですので、作るとしても最小限のサイズ、かつ水が流れやすいように勾配も強めにとる必要がありました。
平成20年に規制が緩和された
材料や施工方法の技術が向上したことにより、雨漏りを起こす可能性が格段に低くなった事に合わせ、平成20年に木造の屋上バルコニーに関しての規制が緩和されました。
具体的には、10㎡以下という面積は無制限に、勾配も半分の1/100になりました。
勾配1/100というと、敏感な人だと立っていると斜めになっているのがやっと分かる程度です。歩いているとほとんど分からないです。
この事により、近年では木造住宅でも屋上を採用する家が増えてきています。
戸建てに屋上があるメリットは?
家に屋上があるメリットを挙げていきます。
眺望の良さや解放感がある
一番の魅力はやはりこれでしょう。
家の中で一番高い場所にあるので、眺望の良さや解放感は抜群です。
夜に、ビールを片手にボーっと星を眺めたり出来ます(笑)
洗濯物の乾きが最高
構造にもよりますが、基本的に一日中日差しがあるので洗濯物を干したら乾き方が最高です。
また、布団を干してもカラッカラになります。(笑)
子供を遊ばせておける
公園などに小さい子供を連れていくと、どうしても目が離せないですが、屋上であれば多少目を離しても大丈夫です。
一番の危険は何かに登って柵を乗り越えてしまう事ですが、登れるような物さえ置かなければある程度は自由に遊ばせておけます。
プライバシーが守られている
これは周りの状況にもよりますが、自分の家を見下ろせるような建物が近くになければ、基本的に周りからは屋上が見えません。
普通の庭だと、隣の家や道路から見えてしまう場合が多いですが、周りに高い建物が無ければ、裸で日光浴でも何でも出来ます(笑)
戸建てに屋上があるデメリットは?
屋上がある事によりデメリットも当然あるので、紹介します。
結構な維持費がかかる
屋上の最大のデメリットは間違いなくこれだと思います。
普通の屋根よりも雨漏りのリスクが高い為、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
まだ私は最初のメンテナンスを行っていないので、具体的にいくらかかったかはお伝え出来ませんが、新築から10年後に屋上部分のメンテナンスだけで100万円程は覚悟しています。
初期費用がかかる
建築会社や広さにもよりますが、新築時に屋上を設置する場合には、通常の屋根に比べて追加費用として100~200万程度必要になります。
バーベキューは出来る?
さて、今屋上の設置を検討している人が一番気になっているのは「屋上でバーベキューが出来るのか?」という事ではありませんか?
「そんな事気にしてないわ!」と思われたならごめんなさい(笑)
私は自分が建てる前にはこれが一番気になって色々と調べたのですが、実際に屋上を作った人の感想がほとんど出てこなかったので。(笑)
結論としては、
条件① すぐ近くに高いマンションなどの高い建物が無い事
バーベキューで発生する煙と臭いは、自分たち以外の人にとってはもの凄く気になるものです。
しかし煙も臭いも基本的には上に行くため、屋上でやれば隣の家などには届きません。
しかし、家のすぐ隣にマンションなどの高い建物があると、そこの上階の家には届いてしまう為、やめた方がいいかと思います。
条件② 炭火は無理。電気かガスコンロで。
バーベキューといえば、炭火でやりたいですよね。私もそうです。
しかし、炭火は火の粉が舞い上がってしまい屋上の床に落ちると床を傷め、雨漏りの原因になります。
また、舞い上がった火の粉が隣の家などに届いてしまう可能性も0ではない為、炭火はやめましょう。
電気式のホットプレートか、ガスコンロにしましょう。
条件③ 日が落ちたら切り上げる
屋上の声は、あまり下の方へは届かないので余程大声を出さない限りは隣の家までは届きません。
とはいえ、夜になって周りが静かになると流石に隣の家まで声が届いてしまう為、日没頃になったら切り上げた方が無難です。
どの程度、隣に声が届くのかは家までの距離にもよるし、声の大きさなどにもよりますが、私が自分の家で実験したところ、大人が思いっきり叫んでやっと聞こえる程度でした。
条件によっては可能なので、家の立地などを確認してみて下さい。
まとめ
木造住宅の屋上をつけた場合のメリットとデメリットを紹介しました。
メリットも多いですが、「お金がかかる」というデメリットもある為、実際に自分の家族が屋上付きの家にした場合には、どの程度使うのか?これをじっくりとシミュレーションしてみた方がいいと思います。
バーベキューも条件付きではありますが可能なので、今屋上を付けようか悩んでいる方にこの記事が少しでも参考になって頂ければ幸いです。